【結露の兆候】

今、地球温暖化や断熱、気密性能と換気・冷暖房等の設備のバランスにより結露が急増しています。

●コンセントやスィッチ回りにカビが生えてきた。

●夏を過ぎたころから壁にカビが生えてきた。

●天井点検口周りにカビが出てきた。

●倉庫の天井から水滴が落ちてきた

●冬になると寝室の壁やサッシが濡れる 等々

これらの現象は、ほとんどが結露現象によるものです。結露を放置すると、カビや腐朽菌が発生するため、健康はもちろん、建物にも被害が生じます。

【結露による被害】

結露が発生すると、カビ・腐朽菌・シロアリなど、私たちの暮らしに様々な被害を及ぼします。

[被害1 かび菌]

カビと結露は、セットのようなものです。「結露のあるところにカビ有り」と言っても過言ではありません。
カビは、ダニの餌にもなり、それ自体もアレルギーや喘息、過敏性肺炎、日和見感染、内臓疾患など、人の健康に様々な被害を与えることがあります。

[被害2 腐朽菌

結露は、腐朽菌ともセットのようなものです。結露によって25%以上に含水率が上がった木材は、腐朽菌が繁殖し、建物の耐久性・耐震性に大きな影響を及ぼす可能性があります。

計算上、耐震性能があってもそれを支える構造材が腐っては、安心できません。

[被害3 白蟻

結露は、白蟻を誘引します。日本のシロアリは、湿気が大好きだからです。特にイエシロアリは、大きなコロニーを作り、構造に大きな被害を与えます。一時的に白蟻の駆除をしても原因となる結露を直さないと再発する可能性が高いと言えるでしょう。

過去の阪神淡路大震災・東日本大震災で、倒壊した多くの建物が、白蟻や腐朽菌による構造材の劣化が原因でした。

【結露の種類】

建物に発生する結露は、発生時期や発生箇所、発生要因によっていろいろな分類の仕方があります。

季節で分けるのが、夏型結露と冬型結露です。今まで常識とされてきた結露対策は、冬型の結露を対象としたものが中心でしたが、最近の猛暑によって、外気の露点温度が上がり(下グラフ参照)、夏の結露が増えてきているので、夏の結露に対する対策も必要になってきました

冷房期における2024年度の月平均の露点温度は、7月で24.48℃、8月で24.98℃となっています。露点温度は、年々上昇する傾向にあり、1980年と比較すると
7月で、2.97℃8月で、4.46℃も上昇しています。気温の上昇が、7月が2.4℃、8月が2.8℃ですので、露点温度の方が、気温以上に上昇しています。      

これからは、夏と冬、両方の季節に対する結露対策が必要です。

猛暑のイメージイラスト
猛暑は最近の結露の原因に

また、発生箇所別では、内部結露と表面結露に分かれます。

表面結露は、悪化状況が見えますが、内部結露は見えないのでいつの間に被害が進行して、構造体や健康などに大きな影響を与えることがあります。
点検口・コンセント・スィッチ・分電盤周り・巾木下にカビが出てきたときには、内部結露の兆候ですので、注意しましょう。

ファイバースコープで観察した壁内のカビ

そして、発生原因による分け方は、温度差要因結露と水蒸気要因結露、そしてその両方に由来する結露です。この、結露の発生原因は、断熱、換気、空調、気候変動、土地の環境、素材、暮らし方等に起因します。

結露の発生時期・発生箇所によって、結露対策の調査方法が異なります。

【結露対策の調査概要】

結露対策調査は、発生時期・発生箇所・発生状況・建物構造などによって以下の調査から適した調査を選択して行います。

結露対策の調査は、建物環境のデータを取りますので、カビや結露が発生している時期に行うのがベストです。発生時期以外に調査を行う場合は、推測の域が広くなります。お申込みいただいてから調査実施まで、多少時間がかかりますので、早めにご相談いただくことをお勧めします。

①赤外線調査

赤外線調査では、温度分解能力が0.03℃と非常に感度の高い赤外線カメラで温度状況と結露水の確認を行います。

この調査によって、露店温度以下になっている箇所や内部結露の残留水分の範囲を調査し、被害状況の把握ができたり、温度差由来結露の原因を発見できる可能性があります。

②温湿度調査

外部、居室、床下、天井裏、壁内など、建物の各所に温湿度計を設置して、数日間、温湿度測定を行います。測定は、10~15分間隔で記録を取り、データから水蒸気量の推移や露点温度、結露計算を行って、水蒸気源を推測したり、水蒸気由来の結露と温度差由来の結露のどちらか?原因を調べていきます。

下のグラフは、水蒸気の推移グラフです。水蒸気推移を見ることで、水蒸気源を推測していきます。

③気密測定

冬に、第三種換気の建物で建物の気密が低いことが原因で、計画通りの換気がされず、結露が発生することがあります。

又、夏は、気密が低いために、湿気のある外気が多く流入し、結露が生じやすくなります。


この気密測定では、建物の隙間面積を測定し、どこに隙間があるのか、また、通常の生活で、どのくらい湿気のある外気を取り込んでいるのか?を調査します。

気密測定のページはこちらから

④スモークテスト

水蒸気源となる換気ダクトのはずれなどが無いか?換気扇が機能しているか?外部フードが詰まっていないか?換気扇にスモークを入れて漏れが無いか?スモークの排出状況をテストします。

スモークを入れて換気扇をチェック

換気風量・内外差圧測定

計画通りの換気風量があるか?外気を取り込む力が充分にあるか?などの測定を行います。

換気風量を測定して計画換気の風量が確保されているかをチェックします。

壁内調査

ファイバースコープで壁内にカビが発生していないかを検査します。

⑦結露 定常計算

断熱材、構造材、下地材、仕上げ材の全ての熱伝導率、透湿抵抗値から結露定常計算を行い、結路線図によってどの箇所で結露が発生するかを分析し、結露の発生原因を推測していきます。

この結露定常計算によって断熱や防湿の結露対策が見えてきます。

⑧結露対策の提案

調査結果から結露やカビの原因の推測と是正対策を提案します。

【カビ・結露対策調査の物件実績と概要】

1
一般住宅

木造・鉄骨・RCなど様々な構造体に対して、夏型結露対策調査、冬型結露対策調査、表面結露対策調査、内部結露対策調査、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事

2
マンション

夏型結露対策調査、冬型結露対策調査、表面結露対策調査、内部結露対策調査、浮遊カビの同定調査、除カビ・防カビ工事

3
老人ホーム

夏型結露対策調査、表面結露対策調査、内部結露対策調査、浮遊カビの同定調査、除カビ・防カビ工事

4
冷蔵倉庫

冬型結露対策調査

5
食品工場

夏型結露対策調査、内部結露対策調査

6
スーパー

夏型結露対策調査、内部結露対策調査、除カビ・防カビ工事

7
賃貸アパート

夏型結露対策調査、冬型結露対策調査、表面結露対策調査、内部結露対策調査、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事

8
保育園

夏型結露対策調査、表面結露対策調査、内部結露対策調査、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事

9
会社事務所

夏型結露対策調査

【結露対策調査の対応物件】

住宅、工場、学校、幼稚園、病院、宿泊施設、商業店舗、老人ホーム、公共施設、マンション、重要文化財など、建物種類を選ばず結露の対策調査が可能です。

【結露診断士】

       結露調査を依頼する前にご自身で結露の診断を行いたいとお考えの方は、「結露診断士」という資格を受講することを

       お勧めします。「結露診断士では、結露の基本的なことや水蒸気の性質、様々な結露パターンと対策を学ぶことができます。

       「結露診断士」のホームページは、下記ホームページからご覧ください。

       「結露診断士」ホームページ https://www.ters.jp/

【カビ対策】

結露が起きている箇所には、カビが発生していることが良くあります。
カビは、ダニの餌になったり、喘息等のアレルギー疾患等、健康被害を引き起こす場合がありますので、放置せず是正をすることをお勧めします。
弊社では、カビ対策として
❶カビの種類と量の調査
❷除カビ・防カビ工事のサービスも提供しています。
詳細につきましては、下のリンクからアクセスをお願いします。

【結露対策調査 ご依頼の流れ】


1
お問い合わせ

まずは、メールまたは、お電話でご相談、お問い合わせください。オンラインでの事前相談(無料)も可能です。

2
お見積もり

現状の写真、設計図書、現場状況などを拝見してお見積もりさせて頂きます。

3
調査

調査お申込後、スケジュールの調整の上、調査に必要な機器を持ってお伺いします。
 結露の対策調査は、結露が発生する時期に行うのがベストです。

4
報告書・ご提案

赤外線画像の解析、温湿度のログデータ解析、結露計算等によって、結露の原因・結露対策の報告書を作成いたします。