【煙突効果】

寒さ対策、結露・カビ対策で最も重要な気密ラインをご存じですか?それは、床回りです。

冬、室内と外気の温度差が大きくなると暖房で温められた室内の空気が上昇していきます。このとき、建物の中性帯より、下のエリアからは、外気が入り込もうという力が働き、上のエリアからは、室内の空気が外に出ようという力が働きます。

この現象を煙突効果と言います。下の図をご覧ください。

煙突効果は、外部と室内の温度差が大きいほど強まります。

この為、床付近の気密が低いと多くの外気が床付近から入ってきて、足元が寒く感じます。また、ダクトレスで第三種換気の場合、煙突効果によって、中性帯から上のエリアでは、給気口から室内の空気が出ていこうという力が働くため、給気量が少なくなって、結露が発生するケースもあります。

床付近の気密で注意する箇所

下の3つの箇所は、床回りで漏気が多くみられる箇所です。

給排水管周りの隙間の弊害

床断熱で、給排水管周りに隙間があるケースです。冬の場合、煙突効果によって床下の冷たい外気が侵入してきます。特に、洗面脱衣室は、服を脱ぐところなので余計に寒さを感じます。これは、ヒートショックが起こりやすい環境とも言えます。


一方、夏の場合は、湿気を多く含む外気が、給排水管周りの隙間からキッチンキャビネットや洗面台の中に侵入してきて、カビ(結露)が発生することがあります。

給排水配管周りの隙間から夏の湿気がある外気が侵入して発生したキッチンキャビネット内のカビ

この為、給排水管周りの隙間を塞ぐことは非常に重要ですので、中間時の気密測定の時には、給排水配管は床から立ち上げた状態でチェックをすることをお勧めします。

柱周りの隙間の弊害

木造軸組み工法で床断熱のケースは、床合板に柱の欠き込みがあるので柱周りに隙間が出来ます。また、壁内の床に合板の継ぎ目があるとそこにも隙間があります。

冬の場合、柱周りや床合板の継ぎ目から冷たい外気が壁の中に入ってくるので、建物に冷却効果が生じます。また、室内に湿気が多い時は、結露のリスクがあります。

柱や合板の継ぎ目の処理がしていない為に幅木の下やコンセントから冷たい外気が噴き出ている赤外線画像

夏の場合は、床下から湿気のある外気が、壁の中に入ってきますので、部屋の冷房温度が低いときには、壁内結露が生じ、カビが発生するリスクがあります。

壁内結露によって石膏ボードの裏側に発生したカビの写真です。壁内に湿気の多い夏の外気が入り込んでいる為です。

中間時の気密測定のタイミングでは、多くの場合、この柱は壁の中に隠れてしまいますので、壁の石膏ボードを貼る前にこの隙間の処理をする必要があります。

工程上、石膏ボードを張った後に気密測定をする場合は、石膏ボードを貼る前に現場で柱周りの隙間をチェックすることをお勧めします。

配線の貫通部の弊害

床断熱の場合、床から電気配線などが立ち上がっているとその周りに隙間が空いていることが良くあります。とくに、キッチン周りは、間仕切り壁が無いと、天井から配線が引き込めないので、床下から配線を取り出します。

電気工事では、こういった隙間を埋める習慣が少ないので、意識をしてチェックをすることをお勧めします。冬の場合、煙突効果によって床下の冷たい外気が侵入してきますので、キッチンなどで足元がスース―します。


夏の場合は、湿気を多く含む外気が、キッチンキャビネットや洗面台の中に侵入してきて、カビ(結露)が発生することがあります。

このように、床付近の隙間は、不快なばかりでなく、冷暖房効率が落ちたり、カビ・結露のリスクもはらんでいますので、塞ぐことは、とても重要です。

床回りの隙間は、特に注意をしてチェックをしていきましょう。