【結露って何】
結露ってとっても身近な自然現象なんですね。えっ、どんな現象かって?それは、「雨」です。(もちろん雪も)空気中の水蒸気が、暖められて上空に上がった時に、冷やされて露点温度以下になると雲になって雨になります。だから、結露現象って人や自然にとってなくてはならないものなんです。ちなみに霧、朝露なんかも結露です。
でも、この結露、建物の中で起きると悪者になってしまいます。カビが生えたり、木材を腐らせたり、シロアリを誘引したり。良いことがありません。
昔は結露は無かったんです。家がすかすかで、外と家の中の環境が近かったから。でも、第二次世界大戦後、北海道で無断熱のコンクリート住宅が出来てから、建物の結露は始まったんですね。
その後、断熱材や防湿性能が上がって、サッシもペアガラスになり、24時間換気も義務化されると結露は減ってきたんです。でも、これらの対策は、全て冬型結露対策だったんですね。
冬型結露が減る一方で、最近は、夏型結露の調査が増えてきました。なぜでしょう?それは、気候変動の影響で、外気の露点温度が上がってきたためなんです。1980年 東京観測所の8月の平均露点温度は、21℃位でした。ところが、去年、2024年の平均露点温度は、25℃位まで上がっていたんです。更には、最高露点温度が、28℃を超えている時もあったんです。
このような露点温度の高い外気が、建物の中に入ってきると、冷房で冷やされた箇所に接触して、結露が発生しやすくなっているんです。夏にコンセント周りや壁や天井の表面にカビが生えてきたら、要注意ですね。
【結露による被害】
建物内に結露が発生すると、私たちの暮らしに様々な被害を及ぼします。その被害を見ていきましょう。
[被害1 かび菌]

まず、一番多いのが、カビの発生ですね。カビと結露は、セットのようなものです。「結露のあるところにカビ有り」と言っても過言ではありません。カビは、ダニの餌にもなり、それ自体もアレルギーや喘息、過敏性肺炎、日和見感染、内臓疾患など、人の健康に様々な被害を与えることがありますから、放っておけませんね。
[被害2 腐朽菌]
木材腐朽菌も、結露によって繁殖します。特に25%以上に含水率が上がった木材は、腐朽菌が繁殖し、建物の耐久性・耐震性に大きな影響を及ぼす可能性があります。計算上、耐震性能があってもそれを支える構造材が腐っては、安心できません。
[被害3 白蟻]
結露は、白蟻を誘引します。日本のシロアリは、湿気が大好きだからです。また、腐朽菌のにおいにもシロアリは引き寄せられるんです。なかでもイエシロアリは、大きなコロニーを作り、構造に大きな被害を与えます。一時的に白蟻の駆除をしても原因となる結露を直さないとまたシロアリはやってきます。過去の阪神淡路大震災・東日本大震災で、倒壊した多くの建物が、白蟻や腐朽菌による構造材の劣化が原因でした。
【結露の種類】
建物に発生する結露は、発生時期や発生箇所、発生要因によっていろいろな分類の仕方があります。
季節で分けるのが、夏型結露と冬型結露です。今まで常識とされてきた結露対策は、冬型の結露を対象としたものが中心でしたが、最近の猛暑によって、外気の露点温度が上がり夏の結露が増えてきているんです。
これからは、夏と冬、両方の季節に対する結露対策が必要ですね。

また、発生箇所別では、内部結露と表面結露に分かれます。
表面結露は、悪化状況が見えますが、内部結露は見えないのでいつの間に被害が進行して、構造体や健康などに大きな影響を与えることがあります。点検口・コンセント・スィッチ・分電盤周り・巾木下にカビが出てきたときには、内部結露の兆候ですので、注意しましょう。

そして、発生原因による分け方は、温度差要因結露と水蒸気要因結露、そしてその両方に由来する結露です。この、結露の発生原因は、断熱、換気、空調、気候変動、土地の環境、素材、暮らし方等に起因します。
このように結露の発生時期・発生箇所・発生要因によって、結露対策の調査方法が異なってきます。
【結露診断の調査概要】
結露の原因は、建物が原因の時もありますが、暮らし方が原因の時も多くあります。そのため、調査は、発生時期・発生箇所・発生状況を伺って、様々な視点から調査を選択して行います。
①住まい方調査
まずは、住まい方のヒアリング調査です。暮らし方が、結露の要因の一つとなっていることが、多いからです。暮らし方が原因の場合は、費用をあまりかけずに改善策も見つかりますので、必ず確認します。
②赤外線調査
赤外線調査では、温度分解能力が0.03℃と非常に感度の高い赤外線カメラで温度状況と結露水の確認を行います。
この調査によって、露店温度以下になっている箇所や内部結露の残留水分の範囲を調査し、被害状況の把握ができたり、温度差由来結露の原因を発見できる可能性があります。




③温湿度調査
外部、居室、床下、天井裏、壁内など、建物の各所に温湿度計を設置して、数日間、温湿度測定を行います。測定は、10~15分間隔で記録を取り、データから水蒸気量の推移や露点温度、結露計算を行って、水蒸気源を推測したり、水蒸気由来の結露と温度差由来の結露のどちらか?原因を調べていきます。
下のグラフは、水蒸気の推移グラフです。水蒸気推移を見ることで、水蒸気源を推測していきます。

④スモークテスト
水蒸気源となる換気ダクトのはずれなどが無いか?換気扇が機能しているか?外部フードが詰まっていないか?換気扇にスモークを入れて漏れが無いか?スモークの排出状況をテストします。

⑤換気風量・内外差圧測定
計画通りの換気風量があるか?外気を取り込む力が充分にあるか?などの測定を行います。

⑥壁内調査
ファイバースコープで壁内にカビが発生していないかを検査します。

⑦結露計算
断熱材、構造材、下地材、仕上げ材の全ての熱伝導率、透湿抵抗値から結露計算を行い、結路線図によってどの箇所で結露が発生するかを分析し、結露の発生原因を推測していきます。推測と是正対策を提案します。
【結露対策・予防の提案】
様々な調査の結果を解析して、結露対策の提案や、結露予防の提案をさせて頂きます。
【結露診断の対応エリアと対応物件】
結露診断は、日本全国の対応が可能です。
物件としては、住宅、工場、学校、幼稚園、病院、宿泊施設、商業店舗、老人ホーム、公共施設、マンション、重要文化財など、建物種類を選ばず結露診断が可能です。
【結露診断の物件実績と概要】
木造・鉄骨・RCなど様々な構造体に対して、夏型結露診断、冬型結露診断、表面結露診断、内部結露診断、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事
夏型結露診断、冬型結露診断、表面結露診断、内部結露診断、浮遊カビの同定調査、除カビ・防カビ工事
夏型結露診断、表面結露診断、内部結露診断、浮遊カビの同定調査、除カビ・防カビ工事
冬型結露診断
夏型結露診断、内部結露診断
夏型結露診断、内部結露対診断除カビ・防カビ工事
夏型結露診断、冬型結露診断、表面結露診断、内部結露診断、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事
夏型結露診断、表面結露診断、内部結露診断、浮遊カビの同定調査・除カビ・防カビ工事
夏型結露診断
【結露対策調査 ご依頼の流れ】
まずは、メールまたは、お電話でご相談、お問い合わせください。オンラインでの事前相談(無料)も可能です。
現状の写真、設計図書、現場状況などを拝見してお見積もりさせて頂きます。
調査お申込後、スケジュールの調整の上、調査に必要な機器を持ってお伺いします。
結露の対策調査は、結露が発生する時期に行うのがベストです。
赤外線画像の解析、温湿度のログデータ解析、結露計算等によって、結露の原因・結露対策の報告書を作成いたします。
【カビ対策】
結露が起きている箇所には、カビが発生していることが良くあります。
カビは、ダニの餌になったり、喘息等のアレルギー疾患等、健康被害を引き起こす場合がありますので、放置せず是正をすることをお勧めします。
弊社では、カビ対策として
❶カビの種類と量の調査
❷除カビ・防カビ工事のサービスも提供しています。
詳細につきましては、下のリンクからアクセスをお願いします。
結露対策調査に関するご相談・お見積もりは
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