【寝室結露の調査と対策(事例:埼玉県さいたま市)】

毎年、10月から4月くらいまで、寝室の窓ガラスや壁に水滴がついている。雨漏りか、結露か?原因がわからないので調査して欲しいという依頼がありました。 雨が降っていない時も濡れていると言うことなので、結露という前提で調査をしました。 今回は、寝室の他に寝室を出てすぐの廊下、脱衣洗面所、LDK、外部の水蒸気量の推移を調査して、結露の元になる水蒸気源がどこから来ているのかを調べました。

※下図は水蒸気量の測定箇所です

調査は、24時間の水蒸気量を測定しました。その結果が下のグラフです。

水蒸気量の推移が目で見てわかるので、「結露の原因がどこにあるのか」が分かります。

このグラフから、就寝時に寝室の水蒸気量が徐々に増えていることがわかります。従いまして、キッチンや浴室の水蒸気が寝室に影響していないことがわかります。 この結果、寝室の換気量不足と言うことがわかりました。 下の表は、水蒸気の発生源一覧です。

生活用品・生活行為水蒸気量 (g/h)換気必要目安 (分)
冬場夏場
加湿器(8帖)5004038
石油ストーブ30067
ガスストーブ30067
食洗機3006764
夕食調理(ガス)9002221
夕食調理(IH)6003332
鍋料理(ガス)1,8001111
鍋料理(IH)1,5001313
室内干し1,6001212
観葉植物(3鉢)60333318
健康機器による発汗(1名)2703637453
就寝(1名)68188294101
日常生活(4名)4368244623
掃除など15826612672
水蒸気の発生源と量を表した表

このように、人間の体からは、就寝時に多くの水蒸気が出ます。
冬でも一晩で、一人あたり500mlの水蒸気を放出していますので、2人いれば寝室で夕食の調理をしているようなものです。 寝室でも、換気がいかに大切か分かります。

今回は、24時間の第一種換気を設置していましたが、ダクトに曲がりが多く、換気風量が少なくなっていたため、ダクト配管のやり直しをしました。 水蒸気がどこから来るのかを調査することで、結露の要因を調べた事例でした。