カビ対策

温帯湿潤気候の日本は、湿気がとても多い国で、カビにとってはとても生育に適した環境と言えます。梅雨から夏にかけて、パンを外に出しておくとすぐにカビが生えてきてしまう。お風呂場の目地にすぐにカビが生えてきてしまうなど、日本人は、常にカビと隣り合わせの生活をしています。外国人の方が、日本で、「かび臭い」と 感じる人が多いのもその証拠です。

カビの種類はとても多く、人の暮らしに恩恵をあたえているカビもあれば、害を与えているカビもあります。

最初に、豊かな醸造文化が育まれた人に恩恵を与えてくれるカビをご紹介します。

●人に恩恵を与えるカビ

醸 造味噌、醤油、お酒などのアルコール類
畜産食品チーズ(ブルーチーズ、白カビチーズなど)
工  業クエン酸、グルコン酸等
医薬品抗生物質(ペニシリン)ビタミン、抗がん剤、酵素製剤
食品キノコ等
          チーズは、カビによっておいしさを増します

普段からお世話になっているものばかりですね。特に、発酵する食品の多くは、カビによるものが多いことに気づかされます。次にカビの害をご紹介します。

●その他のカビによる人への被害

真菌感染症深在性真菌症 肺や内臓への異状繁殖による感染
 表在性真菌症 水虫などの白癬菌症、カンジタ症など
アレルギー喘息・蕁麻疹・鼻アレルギー等 各種アレルギー
真菌中毒症発がん性物質、機能障害物質の生成
食品の変質食糧、加工食品油脂などの変敗・変質
工業生産物の劣化繊維・木材・建材・紙・塗料等々の劣化や腐食
環境の汚染空気・水

このような、人に悪い影響を与えるカビも、多く存在します。

カビアレルギーは、良く聞く身近な問題ですが、種類によっては、肺に入った結果、感染症で死に至る危険なカビ種も存在します。

●カビの生育環境

カビ菌は、空気に漂っていますが、4つの条件が揃うと繁殖を始めます。それは、空気(酸素)・温度・水分(湿気)・栄養です。

このうち、空気(酸素)・温度・栄養は、人が暮らす空間に不可欠な要素ですので、抑制が難しいと言えます。このため、カビの生育を押さえるには、水分を抑制する必要があります。

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